第309章

「もちろんだとも。俺の娘なんだから、送り迎えするのは当たり前じゃないか」

 そう言って言葉を区切り、彼は前田南に微笑みかけた。

「ママは今、すごく忙しいんだ。仕事が落ち着いたら、パパとママ、二人で一緒に送り迎えしてあげるから。ね、いいだろう?」

 望月琛のその約束を聞いて、ククはようやく安心したように頷いた。その小さな顔に、満面の笑みが広がる。

「うん!」

 朝食を終え、ククを送っていく望月琛の後ろ姿を見送りながら、前田南はふと物思いに耽った。正直なところ、さっきの食卓での光景には心を動かされるものがあった。

 だが、それはほんの僅かなさざ波に過ぎない。

 前世がどうであったに...

ログインして続きを読む